少女と過保護ーズ!!続

俺らの限界を超えた瞬間。


パァーーーーン‼


小気味良い音が廊下に響いた。


俺ではない。

竜ちゃんでもない。

桂でもない。

真中や田中でもない。

いつの間にかまた桐子ちゃんが俺より前に出てて、娘の方を引っ叩いていた。

涙目で。

これには俺らも再び唖然。


「美優‼」

「何すんのよ‼あんた、さっきからなんなの!?」

「あなたは最低です」


涙目ながらもまっすぐ相手の目を見て、きっぱり言う桐子ちゃん。


「っっ‼??」


叩かれた頬を押さえていた娘が、その言葉に顔を真っ赤にして手を振り上げる。


「桐子ちゃ・・・っっ」


俺が庇おうとする前に。

パシッ‼と

今まで静かに事の成り行きを見守ってた竜ちゃんが、その手を止めた。


「あ・・・あ・・・竜希・・・」


絶対零度の目で娘を見る竜ちゃん。


「俺の名を気安く呼ぶんじゃねぇよ。俺の名を呼んで良いのは俺が大好きな奴らだけだ」

「・・・っ‼」


真っ青な顔で竜ちゃんを見つめる娘にそんなことを言う。


あ?

その言葉・・・聞いたことあんぞ??

どこ・・・・あっ‼

チビネだ‼

チビネが同級生に絡まれた時に言った言葉だ‼


それに俺と八雲は誇らしく笑った記憶がある。

居なかったよな?

そん時に居なかったのになんで知ってんだ竜ちゃん。


「お前、見かけによらず手が早いな」


娘には視線を外し、竜ちゃんは楽し気に桐子ちゃんに笑いかける。


「時と場合による。今のは絶対に赦せない」

「そうか」


その返事にまた笑ってポンポンと優しく桐子ちゃんの頭を叩く竜ちゃん。


「ありがとな。"妹"のために怒ってくれて」

「親友・・・・だもの」


真っ赤になって言う桐子ちゃん。


「ああ。そうだな」


ぐっ‼

なんだコレ。

お似合いじゃねぇか‼

この二人お似合いじゃねぇか‼

笑いあう姿はどこをどう見ても、イチャイチャするカップルだ。

その向こうでは、娘がその光景を歯軋りしながら見てる。


怖ぇ・・・。

般若か・・・。


「おいおい、大丈夫か?蓮。桐子ちゃん、竜ちゃんに盗られるんじゃねぇか?」


ニッタニタ笑いながら桂。


「ケッ!心配なんざしてねぇよ」


だってあの二人は同士だ。

俺も入れて、チビネ大好きの。


「ごちゃごちゃなんなの‼??早くっ早くアレを出しなさいーーーーーー‼」


母親が娘を抱きしめながら絶叫する。

その絶叫に暖かだった竜ちゃんの空気が一変、殺気混じりに親子を見て・・・・・・頷いた。


「「竜ちゃん‼??」」

「「竜希さん‼??」」

「総長さん・・・」


何考えてんだ‼

こんな奴らとチビネを会わすなんて‼

チビネは目覚めたばっかなんだぞ‼??

余計な負担が・・・・



「チビは・・・・俺らの"妹"はそんなに弱くねぇ」


そう言って自信満々に笑う竜ちゃん。


わかってんよ。

チビネは強い。

だけど・・・。






「なぁ?ハイネ」