少女と過保護ーズ!!続

チビネの呼び掛けに、ずっと俯いてた花音さんが顔を上げる。

っ!

こんな花音さん・・・・初めて見た。

族時代、どんな酷い抗争でもケロリとむしろ愉しそうにしてさえいた花音さんの・・・・こんな憔悴した表情は。

迷子の子供のようにも見える。

チビネは空いてる方の手で、ギュッと拳を握りしめてる花音さんの手を包み込むように握った。


「花音さんのせいじゃない」


さっきの弱々しい呟きとはうってかわって、きっぱりと凛とした声で言ってのけたチビネ。


「・・・・っっ」


まっすぐ花音さんを見て。

曇りない眼差しがその言葉が疑いようのない真実であると告げる。

チビネの言葉に、表情に、息を飲む花音さん。

そしてチビネは俺たちにも視線を向けてくる。

凛さん、健さん、ケントさん、竜ちゃん、桂に麻也に俺。

1人1人と目を合わせて。


「誰のせいでもないの」


静かにそう言った。

俺らは誰1人口を開けなかった。

チビネにそう言われても俺らは・・・。


「あたしのことで皆を巻き込んでしまった。これはその罰だから、いいの。これぐらいの傷で皆の側に居られるなら、この傷さえも愛しいわ」


太ももの傷を撫でて、穏やかに笑うチビネ。

張り詰めてた空気が一気に優しい暖かな空間となる。

なんて、強い子なんだ。

俺は眩しいものでも見るかのように、目を細めてチビネを見る。

それは他の皆も同じで。


「敵わねぇなぁ」


竜ちゃんが太ももに置かれたチビネの手の上に自分の手を乗せ破顔した。

これ以上ない優しい瞳で。


「本当に」


麻也がまたその上に手を重ね。


「カッコいいねぇ」


桂もその上に。


「チ"ビネ"・・・・」


涙腺決壊の俺も更にその上へ。


「ありがとう、ハイネ」

「さっすがあたしの娘‼」

「ハーちゃん・・・」

「・・・・」


花音さん、凛さん、ケントさん健さんも手を重ねる。


その傷ごと愛するよ。

俺達の大事な妹。

今度こそ、守るよ。

必ず‼


「皆、ありがとう。大好き‼」


音符が見えそうなほど嬉し気に、可愛く可愛く笑ったチビネに俺達の"傷"は確かに癒されたんだ。