少女と過保護ーズ!!続

蓮side


これ以上、チビネが喜ぶもんはねぇと思う。

食べ物じゃねぇけど。

横を見て、俺は笑う。

俺らはチビネが食べたいであろう物を買いにコンビニへ行ってた。

皆、買い物をして各々買い物袋を持って病室に戻る途中だ。

漸く、ようやくチビネが目を覚ました。

二日ぶりに。


寝顔を見るたびに・・・このまま目を覚まさなかったら・・・と怖かった。


『蓮くん‼』


あの声が聞けないかと、あの笑顔が見れないかと思うと本当に・・・・これまでに感じたことのないほどの恐怖だった。

だからチビネが目を覚ましたと聞いて、飛び上がるほど嬉しかった。

でも・・・・。

俺は数十分前のことを思い出す。

チビネが落ち着いたと、俺らは病室に呼ばれチビネと対面した。


ガーゼやら包帯やらが痛ましい姿。

そんなチビネが俺らを見て、大きな猫瞳を見開いた。


「皆‼皆ケガは!?痛いとこっ痛いとこない!?」



第一声がコレだった。

どうしてこの子は、こんなにも俺らの心配ばかり・・・。

自分は2日も眠ったままだったっていうのに。

ケガも俺らなんかよりよっぽど酷いのに。

その優しさに泣きそうになる。

俺らは間に合わなかった・・・・。

結果的には救えたが・・・。

こんなにケガを負わせてしまった・・・・。

なのに俺らの心配ばかり。

グッと唇を噛む俺の背を竜ちゃんが叩き、チビネに向かう。


「俺らは平気だ。ピンピンしてる。お前は・・・」

「ハーちゃん」


竜ちゃんがチビネの頭を撫で、ふんにゃり笑ったチビネが竜ちゃんの問いに答えようとした時、ケントさんがチビネを呼んだ。

その瞬間、病室の空気がビリっと張り詰める。

なんだ??

俺も竜ちゃんも、桂も麻也も、突然のことにケントさんを凝視する。


「どどどどどどどどどどどどした!?ケントさん!?」


チビネもいつにないケントさんの真剣さに狼狽えてる。

花音さんと凛さんは俯いて何も言わない。

なんだ・・・・?

何か良くない・・・


「指はきちんと動くようになる」


チビネを連れ去ることを“邪魅”に願った男に指を踏まれたのだという。

異常なほど腫れ上がっていた指。

折れているかと思ったが……

大丈夫ってことだな。


良かった。


なら・・・・?


「太ももの傷が・・・結構深くて・・・・痕が・・・残る・・・・」


・・・・・・・は?

・・・・・・・痕??


「・・・っっ」


俺はケントさんを見た。


眉間に皺を寄せ、何かに耐えるように歯を食い縛ってる。


「そんなっ‼」


麻也が叫ぶ。

俺も同じ気持ちだ。

チビネは女の子なんだぞ!?

傷・・・・なんて・・・


「ケントさんっっ‼」


ケントさんを責めても仕方がない。

わかってる‼

わかってるんだっっ‼

悪いのは、この事態を阻止出来なかった俺らだ。


だけどっっ

この子は何も悪くないのにっっ‼

麻也も・・・桂までも歯を食い縛って黙ってしまった。


「ケントさ・・・・」

「なーんだ」

「「「「「「「へ????」」」」」」」


なんとも間の抜けた7人の声が病室に響いたのだった。