少女と過保護ーズ!!続

『病院・・・だと?』



ピクリと雪代さんの片眉が上がる。


自分の職業柄、滅多なことがない限り"黒豹"にもチビ助にも近づかない雪代さんだが。


この人もまたチビ助を己の子のように大事にしている。



「・・・あがぁぁぁぁ‼‼」



雪代さんが表情も変えず、グルグル巻きにされた志門の腹を蹴りあげた。



絶叫と血を吐きながら転がる志門。



ありゃあ、骨が何本かイッたな。



「あ・・・が・・・ぁぁ・・・‼??」



意識が戻った志門が悶絶しながら、俺らや雪代さんを見る。


何が起こったのか全くわからないのだろう。


その表情は痛みと恐怖で酷いもんだった。




『連れていけ』


「あ"!?」


「・・・ひっ」




雪代さんの一言で、黒いスーツを着た男達が出て来て志門を連れて行こうとする。



オイオイ‼




「待てよ」


『あ"?』



竜希の制止の声に雪代さんの片眉が凶悪にはねあがる。



「そいつは俺らの獲物だ」



そんな雪代さんを恐れることなく真っ直ぐ見て言う竜希。



「好き勝手・・・」


『あの日』


「あ"?」


『アレが拐われたあの日』


「あがぁぁぁぁ・・・・」



ガンッと志門の頭を踏みつける雪代さん。



『工藤組のシマで無作為に、女、子ども関係なく強い薬がバラ撒かれた』



ギリリと煙草を噛む。



ーーーーーーーーあの日。



それだけで誰の仕業かなんてすぐわかる。



アホなことをしたもんだ。



工藤組は薬は御法度だ。



違う県だからバレないとでも思ったのか、どちらにしろ工藤組からは逃げられねぇ。



「・・・知ら・・・ね・・・」


『黙れ』


「ふがっぁぁ‼」


『ケジメはつけさせる』


「だったら、チビ助にもその権利はありますよね?」



俺が言えば、竜希を睨んでた漆黒の瞳がこっちに向けられる。


温度を宿さない、冷めた瞳。


だが、怯んでたまるか。



チビ助が今回の一番の被害者だ。


チビ助にも志門をどうするか、決める権利がある。


雪代さんは煙草を志門の顔に落とした。



「ああああああっっ」



で、すぐに新しい煙草を取りだし口にくわえれば、黒スーツの一人がそれに火をつけた。


この人はものすごいヘビースモーカーだ。


煙草を吸ってないとこなど見たことがない。


1度、身体に悪いと雪代さんが持ってる煙草を全部取り上げて逃走したチビ助を、全力で追いかけ捕まえ背負い投げをかまし海に放り投げた。


それほどのヘビースモーカーだ。


あんときの全力走りは今も語り継がれている。


ちなみにチビ助はまだ懲りずに雪代さん煙草取り上げて計画を練っているが・・・・。