少女と過保護ーズ!!続

ハイネside



「…きゃあっっ!?」



もう少し。


無我夢中で伸ばした手。


ガラス越しに合わされるその瞬間、あたしは窓から引き剥がされた。


来てくれた。


八雲さんが来てくれた。


会いたかった。


声が聞きたかった。



だから姿が見えた時、嬉しくて安心して泣きたくなった。


でも貴方は…。


八雲さんは、あたしと目が合うと表情を歪めた。


辛そうに、苦しそうに…。



……きっと自分を責めてる。


あたしを守れなかったことに。



違う。


違うよ。


これはあたしのせい。


あたしの家族のことで、皆を巻き込んだんだよ…。



だから八雲さんが自分を責めることなんてない。


悪いのはあたし。


だからこそ、少しでも八雲さんの気持ちを軽くしたくて。


あたしは大丈夫。


そうわかってもらうために笑った。


笑おうとした。



笑ってるつもりだった。



でもダメで…。



あたしもくしゃくしゃに表情が歪む。


八雲さん!!


触れられないとわかってても手を伸ばした。



抱きしめてほしい。


抱きしめたい。




『ハイネ!!!!』



突如、車が車線変更して、無防備だったあたしの体は井坂さんの方へ倒れた。



視界から八雲さんが消える。



嫌だっっ!!


嫌…




『八雲!!!!』




桂!?


桂の声がした…と思った瞬間、嫌な音が辺りに響いた。




ガァァァンッッ!!!!