少女と過保護ーズ!!続

「狼狽えんじゃねぇ!!あんな笛の音1つでわかるわけねぇだろうがっっ!!」



志門が座席をガンガン蹴りながら吠える。



「総長…行き先は?」


「かわらねぇ!!お前らもう喋るな。喋った奴は車から放り出してやる」



志門が放つ殺気に車の中に居る全ての人が息を止めた。


大分、慣らされたとはいえ、井坂さんも体を強張らせ息を止める。



「すー、はー、すーはー」



あたし以外だけど。


今、息止めようものなら死ぬ!!


せっかくもう少しで八雲さんに会えるのに、こんなとこで死んでたまるか!!


……でも静かな車内に、荒い息をする自分。


怪しくないか!?



「…………ゼーッゼーッ!!」



めっさ、静かに息をしようとやってみたけど、無理だった!!


余計、怪しい人になった!!


全然楽にならない呼吸。


愛しい人に届いてほしくて、身体中の酸素を全て使い、その後首まで絞められたのだ。


すぐに楽になれってのが無理な話。



「本当、ナメた真似してくれる」


「ぐっ!?」



突然髪を鷲掴みにされ、志門の顔の前まで自分の顔を持っていかれる。



「止めてっ!!この子怪我してるのっ!!」



井坂さんが止めに入ってくれようとするも、志門の力は緩まない。


それどころか強まる一方。



キスが出来てしまいそうな距離で、怒れる志門と睨みあう。


んな至近距離、嫌で仕方ないが、ここで視線を反らしたら敗けだ。



「ハッハッ!!わかる…わけ…ハーッハーッ、ない?そっちこそ…"黒豹"を…ナメんな…"黒豹"は……八雲さ…」


「黙れ…!!」




八雲さんは必ず来る。


そう言うつもりだった。


なのに志門に顎をとられ……



「!!??」