「……っ!
チョー最悪なんだけど…
何で今さらあんな夢みんの!?」



花は高校生になっていた。


父親にイタズラをされた回数なんて覚えてないくらいたくさんされてきた。



中学二年生まで父親とお風呂に入っていたのだ。


誘われたときの

「嫌だ!」


の一言が言えずにいたのだった。







そんな花の父親と母親は

母親の不倫により離婚。




本当に仲の良い家族なら子供は悲しむだろう。



だか花は違う。



伸び伸び母親と仲良く暮らしていた。










♪~♪~♪~♪~



携帯の着信を告げるメロディと振動に気付き、

花は携帯を開いた。



「もしもし?
はっ?時間?
待って待ってぇ~」



一度携帯を耳から離して時間を見る。



「まじ!?やばっ!遅刻じゃん!電話ありがと!今から行くわ」




携帯をベットへ放り投げて、鏡を見る。

そこには昨日の化粧を落としてないせいか、まぶたや目の下が真っ黒になっている花の顔が写っていた。



「うゎ。自分キモいは…」

鏡の前から即座に移動しハンガーに掛けられたYシャツやスカート、ブレザーに袖を通す。




急ぎ足で階段を駆け降り、前髪をピンクのゴムで縛りながら洗面所に向かう花。



洗面所にある洗顔クリームを手にとり、雑に化粧を落としていく。


前髪のゴムを取り
シャワーで髪を洗い、即座に乾かす。



また自分の部屋へ戻り、巻き髪にするためのアイロンの電気を入れて、化粧を始めた。




ものの30分もしなうちにいつもの花がそこにいた。