ああ、何だか心療内科医師のレンジローバーに会いたくなっちゃった。診察室で会うのが好き。マッサージしてくれるの、肩をゆっくりほぐしながらアタシの話を聞いてくれるの。白衣がいい、消毒液の匂いも好き、レンジローバーの指と静かで低いけれど通る声が好き。なのにどうして頭のオカシナ患者扱いしてくれないのかしら?患者ごっこがしたいのに。壊れた女になってしまいたいのに。「君の診察券を作りたくないんだ、住所や名前、保険の種類なんか知ったら僕は何をするかわからない」
と聞かされる背後からの静かな声がいっそのこと このまま縊死させてくれたらいいのに、と思う瞬間。
と聞かされる背後からの静かな声がいっそのこと このまま縊死させてくれたらいいのに、と思う瞬間。
