繁華街を縄張りに持つヤクザの組長は、息子に代替わりをさせるべく若いモンと一緒に見習い修業させている。その手前、注射器が見つかると困る。中途半端な理性が私を必要としている。月に2回どうしてもキメたくなると 賄いのシュウ君が迎えにきて貸し金庫に向かい、その足でチェックインしているホテルO別館のスイートに届けさせる。そこには滅多に同行はしないが翌日同じ区内のT病院特別室に(点滴)入院するのが決まりなので、「抜けたの?」と穏やかに訪問すると何とも言えないサバサバした表情で胡蝶蘭に囲まれニコニコしている。これだけ面倒臭い順路を踏まなければキメられないように自制しているのは組長の理性だが、月2回で済むのなら、止められそうなものなのに。シュウ君と私だけが知っている弱さ、愛しいから。