今から仕事に行くの……。でもこの家に来てすぐの時よりは、彼との仲が少しは深まった気がする。このまま仲良くなっていこう。

「何時に帰ってこられますか?その、夕ご飯を作る時間とかもあるので」

すると彼は眉を寄せて考え込んだ。
「いや、夕ご飯はいらない。君も今日は疲れているだろう。私は今日は借りてあるマンションに帰る」
「……わかりました。行ってらっしゃい」

なんて私は馬鹿なんだろう。 ちょっと口調が柔らかくなったと言うだけで、調子にのっちゃって。所詮この結婚はただの政略結婚。


彼に愛を求めてはいけない―――