「家政婦の方を呼ばないで頂きたいです。元々料理は趣味ですし、仕事もなく一日中暇なので……」

彼は眉を寄せて考え込んだあと、「君の負担にならないのならそうしよう。あと言い忘れてたのだが、時々パーティーに参加してもらいたい。もちろん必要な物やお店の予約は、こちらで用意する。」


パーティーか……。一条財閥の出席するパーティーともなれば、かなりの規模になるだろう。それなりの教養が必要となる。どうしよう……。

「すみません。もう1つお願いがあります」
結婚早々こんなことを言うのは、とても申し訳ない。彼も呆れてしまうかもしれない。

「作法の先生をつけて頂きたいです」
「作法の先生？君の作法はとても綺麗で、何も心配するところは無いと思うが……。昔からしっかりと様々な習い事をこなしていただろう。まあ君が受けたいなら先生を探しておく。」

よかった……。しっかりと勉強して、一条財閥の名に恥じない立ち振る舞いをできるようにしよう。
「ありがとうございます。精一杯頑張ります」
「あぁ。根を詰めすぎないように励め」

「では、仕事に行ってくる」