放課後、誰もいないところで話したいと言われたので、比較的人気の少ない渡り廊下で話すことにした。
ここは新校舎と旧校舎をつなぐ渡り廊下で、新校舎にはA組の教室がある。
あやくんもいるかな? なんて。
「ごめんね、急に呼び出して」
「ううん、話って何?」
「その前に、今日すごくかわいいね」
「えっ」
「すごくかわいくて……びっくりした」
結川くんの頬が赤い。
つられて私も照れくさくなってしまう。
「そう……かな?」
「うん」
「えへへ、ありがとう……」
よかった、変じゃなかったんだ。
「ち、千歳さんは前からかわいいと思ってたけど、急にすごくかわいくなったからびっくりして……」
「!?」
か、かわいいの連発!?
結川くん、急にどうしたの!?
「だから、焦った」
「焦った……?」
「千歳さんのこと、他にも狙うやつが出てくる前に言いたかったんだ」
結川くんが何を言おうとしているのか全くわからない私は、ただ黙って聞いていた。
結川くんはずっと目が合わない。
だけど意を決したように、真っ直ぐ私の目を見つめる。
「千歳さん、好きです。俺と付き合ってください」
「え……っ」
「一年の時から、ずっと好きでした」
え、ええええ!?
結川くんが私のことを!?



