退学宣告をされた時と同じ階段下で話すことに。
階段下に来るなり、生徒会の子は血相を変えて詰め寄る。
「千歳さん、一体どういうことですか!?」
「ごめんなさい、実は寄付金が払える状況ではなくて……だけど、せめて今月中は」
「あなたの名前で一千万円の振り込みがありました!」
え……?
い、いっせんまん……?
「一度にこれだけの金額、すぐにでもA組に上がれるほどです! どういうことですか!?」
「ちょ、ちょっと待ってください! 私、知りません!」
一千万円なんて払えるはずがない。
何かの間違いでは?
「ですが、確かにあなたの名前でしたよ」
そう言って彼女が見せてくれたタブレット端末には、確かに私の名前で一千万円の振り込みがあったという記録が残されている。
しかも、日付は今日だ。
「えぇーー!? なんですか、これ!」
「何故あなたが知らないんですか!」
「だって本当に知らないんです!」
一体誰がこんなことを?
「とにかくこの寄付金を支払うということは、A組にランクアップしていただくことになりますが――」
「ちょ、ちょっと待ってください! 私……っ」
こんな知らないお金でランクアップなんて絶対にできない。
これは私のお金じゃない。
「本当に私じゃないんです。こんなの、おかしいです! きっと何かの間違い……」
「相変わらず真面目だね」



