急に思い出した!
あやくんに言わなきゃいけないことがあったんだ!
「あのね、私卒業したじゃない?」
「そうだね」
「無事に卒業できたの、あやくんのおかげだよ。改めてお礼言いたくて」
「そんなん今更いいよ」
「ううん、ありがとう。それからね、やっぱり寄付金は少しずつ返すね」
色々考えたけど、やっぱり一千万円なんて払ってもらえる額じゃない。
ちゃんと返していきたいと思った。
「いいよ、俺が勝手にやったことなんだから」
「でも、私の気持ちが収まらないというか」
「じゃあ、欲しいものあるからそれちょうだい」
「欲しいもの?」
そう言うとあやくんは何やらポケットからあるものを取り出す。
私の左手を取ると、薬指にそれをはめた。
「えっ……」
「ここ、予約させて」
薬指に光るのは、ダイヤモンドが輝くリングだった。
鈍い私でもそれが何を意味するのかわかる。
「つづが欲しい。つづの未来も全部俺にくれる?」
「っ、うん……!」
嬉しくて思わず涙があふれ出た。



