キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜



 桜が咲き始めた三月。
 今日は糸奈学園高等部の卒業式。

 私は無事に卒業することができた。


「つづりーん! 写真撮ろ〜」

「うん!」


 紗良ちゃんと一緒に写真を撮る。
 紗良ちゃんは自撮りが得意で、めちゃくちゃかわいく撮ってくれるんだよね。

 ほら、なんかいつもより目が大きく見えるし。


「これ加工だから」

「そうなの?」

「加工すんの当たり前だから〜」


 そうなのか。どうりで顎のラインもシュッとしてるなぁと思ってた。


「一時期はどうなるかと思ったけど、無事に卒業できてよかったよねぇ」

「ほんとに。私が卒業できたのはみんなに支えてもらったおかげだと思ってるから。ありがとう、紗良ちゃん」

「なんで? あたしなんかした?」

「紗良ちゃんがいてくれたから高校三年間すごく楽しかったよ」

「つづりん〜!」


 紗良ちゃんはぎゅうっと抱きしめてくれる。


「あたしだってつづりんいたから楽しかったし! うちらズッ友だから!」

「うん! これからも遊ぼうね」


 二人でぎゅうぎゅう抱きしめ合っていたら、結川くんが声をかけてくれた。


「千歳さん、篁さん。よかったら写真撮ろうか?」

「えっ、いいんちょ撮ってくれんの?」

「うん、スマホ借りるね」


 結川くんは紗良ちゃんからスマホを受け取り、私たちに向かってカメラを向ける。
 ポーズどうしようかとわちゃわちゃしながら、二人で大きなハートを作った。