窓から、城を出るリリーを見つめていた。
涙をこらえている自分が可笑しくて、私は無理に笑った。
……二度までも、愛した人と別れなければいけないなんて。
もっと、ローズとも、黒百合の女神とも、本音をぶつけ合えば良かった。
君と生きていたい、死にたくないと。
それなら、もっと別の解決方法を、女神は教えてくれたかもしれない。
私とローズにも別の未来が。ひょっとしたら。
私たちは、恋をするには早すぎた。
子供過ぎた。
生き急いで、長い長い間、ローズを悲しませた。
それが私の罰なのか、戦を始めて、大勢の命を奪った私の。
永遠にこの森で、私は一人きり。
それでも構わない。
……そう思っていた。
違った。
違ったんだな。
私が過ごした長い時間は、彼女に会うための待ち時間。
思い返してみれば、ほんの一瞬だったじゃないか。
「退屈させない女だな……。二人とも」
私が生きた証は、ローズが生きて、そしてリリーが生まれてきたこと。
私の魂は永遠に救われる。
恋人にも、家族にもなれなかったけれど、こうして出会えた。
君は光の種、きっといつか大輪の花を咲かせる。
ありがとう。
君に出会えて良かった。


