「君は誰かの光になれる」
私にとっての、ローズのように。
忘れないで、ひとりじゃない。
「今、そばにいる人たちだけじゃない。これから出会う人の大切な存在なんだ、君は。
リリー、決して忘れないで。未来で君を待っている人がいることを」
「未来で……?」
「そう。これから、君を待ってる人がいる。君が探しに行かなくちゃいけない。王子様は、自分で見つけるんだ」
君の王子様にはなれなかったけれど。
「見つけられるかな私に」
「必ず、見つかるよ。君はもう、女神の力を使えるんだからね」
「女神の力?」
「黒百合が、君を嫌いじゃないなら、いつでも君は力の使い方を学ぶことが出来る」
学ぶって、どういうことなんだろう。
ノア様は笑って、「君はもう解っているよ」と言った。
「君はすべてを変えられる。誰にでも、その力はあるんだよ」
今は眠っているだけ。
だから、君を帰さなくてはいけないね。
月の下の、この森から。
王子様を探しに行かせないとね。
胸が張り裂けそう。
息を吐くだけで痛い。
涙をこらえているのが、きっと、彼女は気付いている。
そばにいて欲しいとは言えない。
君の未来を奪うことはできない。
だから……さよなら。
「ちなみに、うちの家系は有望株だよ」
「ぷっ……」
「君の理想に近ければいいけど」
「……そうね。ノア様みたいな人ならいいな」


