へなちょこリリーの惚れ薬



ノア様は、もう一度私を抱き締めてくれた。

ふんわり、と銀色の前髪が触れた。
たぶん、この人は、自分の過ちに気付いていた。

ドレスを着せてくれたのも、宝石をくれたのも、本当はおばあちゃんにしてあげたかったこと。

あのバラ園も、きっと。

ノア様の描いた、幸せな未来。
私は一瞬それに付き合った。



それでもいい。
それでも、いいよ。

私はノア様と出会えた。