「……リリー。答えを聞いたね?」
「違う」
「じゃあ、答えを用意してきたんだね」
「それは当たり、です。自分で出した答えです」




本当はノア様と行きたい。
でも、おばあちゃんとトレニアは悲しむだろう。
私の気持ちを聞いて、欲しい。
ノア様には、全部知っていて欲しい。




「私、自分が何をしたいのか、どうしたいのか、ずっと解からなかったの」
「うん」
「でもノア様は、私に聞いてくれたよね。『君の望みは?』って」

それから考えた。
強くなりたい。

「ノア様に認めてほしかった」

だから、頑張れた。
トレニアが、支えてくれた。
黒百合が知恵を貸してくれた。おばあちゃんが見守ってくれた。

「一人じゃないってわかったの」