「ノアに会いたい、その思いだけがリリーの現実を変えた」

ノアの現実は変わっちゃいない。
国を守るために、死に、森の神になった。
ローズに二度と会うつもりは無かった。

しかし、リリーは扉を開けた。

「ノアと出会ったことで、リリーは変わったわ。あの子が変わったことで、ノアが作り上げた小さな世界が変化した、といえばいいかしら」


千年の孤独に耐えるために、閉じた世界を。
お互いの悲しみに耐えるために、ノアもお前も、扉を閉ざした。

「だから、お前にはノアは見えないし、ノアの声はお前には届かない」

それが、お互いが選んだ現実。