大階段の窓から、月明かりが差し込んでいる。
階段をあがると、ノア様が立っていた。
銀の刺繍が施された白いロングジャケットにマントを羽織っている。
その背中に向かって、声を掛けた。

「こんばんはノア様」

振り返ると、銀色の髪が揺れた。

「待っていたよ。リリー」