「前髪切ろうか」
「どうして?」
「形から入るって大事なのよ」

黒百合は、はさみを持ってきて、さくさくと私の前髪を切った。
ついでに後ろも、とさくさく切られる。

「ヘンになってない?」
「なってないわよ」

10センチぐらいは切られた。

「長いからあんまり変わらないわねえ」
「いいよ、このくらいで。……ありがとう」
「いーえ」