「イヤ、リリーが嫌ならいいのよ? 無理強いはよくない」
「そんなこと言わないでよっ!」
「じゃあ決まりね。大丈夫だって、成功するとは限らないんだからさ」

話が決まると、あたしたちはもう一度材料をチェックした。

「だいたいあるかな」
「トレニア、桃の種がないよ。赤ワインも」
「赤ワインは、台所にあるやつ貰ってこよう。桃……。桃の種か」

裏の畑に桃の木があることはある。

「まだ熟してないけどいいかなあ?」
「種の中身を使うんだし……。まあいいんじゃない?」