シャーロットがトレニアをたしなめている頃。
ふぁ……とあくびをして、黒百合が目を覚ました。

「ヒマねえ……」
「私は忙しいよ。退屈だったら、おばあちゃんと話してきなよ」

紅茶でも飲みながらさ、と付け足して、
私は裁縫を続けた。

「アタシ、あの子ニガテなのよね」
「あの子って……。うちのおばあちゃん、キライ?」
「うーん。キライだったら、100年も一緒にいないわよ」
「一緒にいなかったじゃない」
「いたわよ。ずーと」

私は、その言葉に手を止めて、彼女を見た。