「えええ!?」
「そのつもりだったんでしょ?」
「そ、そんな恐れ多いよ!」
「……表現おかしいわよ。いいじゃない、年上の彼氏。死んでるけどね」
「年上過ぎるよ!!」
「じゃあ止めようか」

え、止めるの。

「何よ、言い出しておいてさ」
「あんたは、他人の意見に流され過ぎよ」

そう言って、黒百合は壁にかけてあるワンピースを手に取った。

「地味ねえアンタ」
「おばあちゃんの趣味なの」

やっぱり地味なのね。

「ねえ黒百合。ドレスとかって出せないかしら?」
「甘ったれてんじゃないわよ。あんたのママじゃないのよ」
「……ごめんなさい」

少し切ろうか。
レース、余ってないかしら。


悩んだ末、私はワンピースのすそを切って、それでフリルを作ってつけることにした。

「あら、意外と器用なのね」
「意外は余計よ」