「自分の世界は、自分の思い通りになるものなの。例えば、アンタがどこかの国の女王様になりたいと思えばなれるの」

「どうやって?」
「どこかの国の王子様と結婚したあと、殺すの。そうしたら、王位はアンタのものだ」
「……そんなの無理だよ」

「そう。『無理』だと思うのは常識。でも、アタマの中で考え付くようなことは、たいてい
実現できるレベルのものなのよ。アンタの中の常識が邪魔をしているだけ」

簡単に言うけどさ。

「家族も友達も捨てて、素敵な王子様といたいなら、そうすればいい。永遠に。ノアにその価値があるのなら」
「……」
「よく考えなさい。本当はどうしたいのか」