二人を送って、家に帰るとおばあちゃんは先に部屋に引っ込んでしまっていた。
もうすぐ夜が明ける。

「黒百合、ベッドで寝てね」
「あんたは?」
「私はソファで寝るからいいよ。黒百合はまだおばあちゃんの精霊だし、私なんかが扱える精霊じゃないんでしょ? ちょっと狭いかもしれないけど」
「……そう。ありがとうね」
「いいえ」

黒百合がベッドに入ると、私はまた練習を再開した。

明日の朝になったら、きっと魔法は解けてしまうだろう。
コツを忘れないうちに……。


1回やってだめなら、100回やればいい。
諦めないって約束したから。


ちゃんとできるようになったら、ノア様にきっと会いに行こう。