どうしても、触れないわけにはいかないみたい。
ノア様のことは、トゲになって、ずっとおばあちゃんの胸に刺さっていたのね。

「……ノア様のことなら、誤解なのよ」

言わなきゃいけない。

「……リリー。なんでそれを……」
「ノア様は、おばあちゃんを死なせたくなかった。だから……。自分で国を守ることにしたの」

伝えないと伝わらない。
ノア様は、そのことだけを手抜きした。


「黒百合は……、おばあちゃんを殺さなかったじゃない。ノア様の頼みを聞いてくれたのよ」