いつまでも、へなちょこリリーじゃいられない。

誰のためでもない、自分のために。

寂しさとか嫉妬とか、そういうものを隠してた。
いつも、誰かと比べられて。
そんな必要なかったのに。




強くなりたいよ。




「トレニアは私の大切な友達。だから、今だけ、頑張らせて」


帰ろうとしたトレニアを、「待ちなさい」と黒百合が引き止めた。

「子供と猫だけで帰すわけに行かないわ。リリーの家に寄ってから送るから。ついてきなさい」