「リリー、待ちなよ! 彼女は精霊だ、リリーに制御できるとは思えないよ。私たちの手に負える相手じゃない」
「……」
「トレニア、あなたは聡明な子ねえ。身の程を知ってるとは素晴らしいことよ」



その通りだね。
トレニアはいつも正しい。



「リリー、あなたはどうしたい?」
「……」
「アナタの望みはなに?」
「リリー!」


私の望み……?
私はどうしたい?

「『自分はなにもできない』と思い込んでたでしょう。感情を押さえて生きてきたのね」
「……」


その通り、だけど……。


「周りの意見に合わせてやる必要なんてない。魔法は使いたいと思えば、使えるものなの。できないと思い込んでいただけ。自分を疑っているうちは、何もできないのよリリー」