「リリー、ものは相談なんだけど」
「……なに?」
「ローズのかわりに、私の石化を解いてくれない?」

そりゃ、無理だよ。

「私には、そんな魔力ない」
「あるわよ。第一、幽霊のノアがハッキリ見えたんでしょう? 普通の人間には見えないわ」
「でも、おばあちゃんが……怒るよ、きっと」
「そうねえ。そうかもしれないわねえ」

うーん、と考える振りをして、トレニアが言った。

「じゃあ一回聞いてみたらどう? リリーのおばあちゃんだって、許してくれるかもしれない」
「どうだか。第一、ノアのことはケロっと忘れて、他の男とくっついたんだから」
「……」

でも、だから私がここにいるのよね……。

「リリー、ひとりぼっちでここに閉じ込められてる私の気持ち、あなたならわかるでしょ?」