「おばあちゃんは……。ノア様を人柱にするの、反対したはずよ? どうして聞いてくれなかったの」

どーでもいい、といいたげな顔で、彼女は話し始めた。

「……私はねえ……。そうね、私たち精霊は、人間の国がどうなろうがどうだっていいのよ。誰が死のうが、関係ないんだから」
「おばあちゃんでもよかったの?」
「それは困るわ。その時の私と契約してたのがローズだったから」
「契約?」

「魔女は精霊と契約して、より強大な力を使うことができる。あなた、学校でそんなことも習わなかったの」