玉響の一花    三

『今年は秋の別荘ツアーも中止だから、
 春は行けるといいね。』


「はい、そうですね。」


『亮は出張だし、滉一はフランスに
 行く前に企業説明会やらでバタバタ
 するし、霞ちゃんだけ誘って3人
 で行っても良かったんだけど、
 せっかくだからコダと何処かに
 行こうかなって。だからGWには
 行こうぜ。』


私は全然暇なんだけど、役職がある
筒井さんは本当に忙しそうで、
一緒に住み始めてより感じてる


そんな中で、週末会ってくれていたり、
金曜日の疲れた日にご飯に誘って
くれていたと思うと大切にされてると
改めて思い知らされた。


買って来たお摘みやお惣菜は
あっという間になくなり、食べ足りない
男性陣からのリクエストに、お鍋の
出汁で卵雑炊を作りそれも気持ちが
いいくらい綺麗に食べてもらえたのだ


一緒に住むようになって、筒井さんの
食欲には改めて驚いてるているけれど、朝はランニングしてるし、時々仕事帰りにプールとジムにも行っているからか
体型が維持されてる気がする



『井崎さんフランス楽しみだね。』


「はい!お仕事で行くと頭では
 分かっていても、なかなか
 行けない国だから楽しみです。」


『あのさ‥‥向こうに、
 大学時代からのツレがいるけど、
 少し強引で面倒臭いタイプだから
 何もないといいけど少し心配で。』


えっ?‥亮さんのツレ?


「筒井さん達ともお知り合いですか?」


『ん‥‥知り合いといえば知り合い
 かな‥‥俺は大学の同期だけど
 少し苦手でさ‥‥。
 絡み方がしつこいから、嫌だったら
 遠慮なく言ってあげて?
 会えるか分からないけど、もし
 琉以に会った時は気をつけてね。』


親しみやすい亮さんが苦手なんて
一体どんな人なんだろう‥‥
筒井さんたちともお知り合いなら、
向こうで接触する機会があるかも
しれないな‥‥


琉以(るい)さんという名前だけ
覚えて、亮さんと楽しく話しながら
片付けした後、日付が変わる前に
みんな家に帰って行ったので、
筒井さんと交代でお風呂に入った



『明日の朝一緒にランニングする?』


「したいです!
 体力つけてフランスに行きたいので、
 ご一緒しても良ければ。」


体が冷えないうちにベッドに入ると、
嬉しい提案に喜ぶ私を腕の中に
引き寄せ抱き締めてくれた


『じゃあ今日は無理させられないな‥』


ドクン