玉響の一花    三

『今週、友達の結婚式があるから、
 実家に帰ってるんだよね。』


「そうなんですね‥‥寂しいですけど
 蓮見さんの方が寂しいと思います
 ので我慢します。」


『そうなの!俺寂しがり屋だから
 霞ちゃんが慰めてくれるなら、
 今日は俺のお家に‥‥‥痛った!!
 なんだよ!暴力男!!』


蓮見さんの頭を後ろから叩いた
筒井さんが呆れたように大きな
溜め息を吐くと、喚く蓮見さんを
ことごとく無視しながら
準備を手伝ってくれた


もう‥‥蓮見さんが言うことなんて
冗談って分かってるのに、ちゃんと
反応してあげるとこがやっぱり
仲がいい証拠だと思える


ピンポーン


『開いてるぞ』


ガチャ


『こんばんは‥‥井崎さん久しぶり。
 仕事帰りだったからシャワー浴びて
 着替えて来たから遅くなってごめん。
 手伝うことある?』


亮さんにも久しぶりに会えてやっぱり
嬉しいな‥‥


同じマンションに住むことが出来て、
温かい人達に囲まれて食事ができる
なんて幸せすぎると思う‥


「亮さん、こんばんは。ほとんど
 お惣菜やお摘み買って来てるんです。
 寒いのでお野菜と豆腐を入れて軽い
 お鍋だけ作ってみました。」


『おっ!お鍋いいね。一人暮らしだと
 鍋ってなかなか食べないから。』


食べれる準備万端のテーブルに、
亮さんが土鍋を運んでくださり、
みんなで乾杯をしてから食事会が
始まった。


デパ地下のお摘みが美味しすぎる‥‥


こういう味付けってなかなかお家で
再現できないから、新鮮ですごく
美味しく感じてしまう


『飲み過ぎないようにしろよ。』


「はい、気をつけます。」


一杯目の白ワインをゴクゴク飲む私に
酔い過ぎないよう心配してくれる
筒井さんに返事をする


すぐに母が真っ赤になってしまうから、
次はいつものアルコール弱めのに
しよう‥‥


『飲んじゃってもいいじゃん。
 ここが帰る家になったんだからさ。
 ねぇーそうでしょ?霞ちゃん?』


ドキッ


帰る家‥‥‥
そう言われるとものすごくここに
住んでる事がくすぐったいような
気持ちになり筒井さんをチラッと見る


『フッ‥‥今更だろ。
 いちいち反応すると余計に
 エサにされて揶揄われるぞ。』


コツンとおでこに手が触れたあと、
笑った筒井さんの顔を見た事で
さらに顔が赤くなったと思う