玉響の一花    三

でも、私が1週間休んでしまったら
受付が佐藤さんだけになってしまう‥


私の単独な応募でご迷惑がかかるのは
いけないから、一旦蓮見さんにまずは
相談しようかな‥‥


仕事を終えて、
引越し直前のガランとした家に戻り、
作り置きしておいた晩御飯でサッと
食事をすませると、早速蓮見さんに
メールをした


応募は今月末までだったから、
急ぎじゃないけど、蓮見さんの方が
忙しいから早めにアポイントだけ
取っておかないとな‥‥


こことも今週いっぱいでサヨナラだ‥


初めて親元を離れて自分の収入と
蓄えてきた貯金で何とかやってこれたのも、お母さんの知り合いの方が安く
ここを貸してくれてたからで、都内で
自力でやろうと思うと無理だったかも
しれない‥‥


筒井さんはマンションは購入済みで
家賃とかはいらないっていうし、
水道光熱費もいらないと言うので
食料品代だけは出させて欲しいと
お願いした。


それだけでも今までのことを思えば、
貯金ができる額が増えるので、
その分を貯めて筒井さんにその都度
何かしてあげれるようにしたい


同棲‥‥‥‥か‥‥


憧れでもあり、不安でもあるけど、
甘え過ぎないように私らしく素直に
筒井さんと過ごせるといいな‥‥


ピコン


メールの受信音にスマホを開くと、
蓮見さんからで、週末引越し祝いに
来てくれるからその時ならと返事が
来た。


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霞ちゃんと2人きりで話すなんて
嫉妬深い滉一くんには恐れ多いから、
引っ越し祝いに行った時にでも
話なら聞くからよろしくーー!!
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私が送ったメールに対し、
思わず笑みが溢れてしまう返信に
一先ず安心した‥


このままでいいのか不安で仕方なかった
私には、偶然でもいいチャンスだと
思うから、逃げずにこの機会に
挑戦できるといいけれど‥‥




『これで全部だな。』


「はい、ありがとうございます。」


9月末


住んでいたマンションを引き払い、
筒井さんとの同棲がいよいよ
スタートする日を迎えてしまった