玉響の一花    三

よくTVなどでも耳にする‥‥。
夫婦は所詮他人だと‥‥‥


夫婦じゃなくても恋人でも友達でも
全て同じだと思う。


大切なのは、自分が誰と一緒に
過ごしたいかという素直な気持ち‥‥
ただそれだけだと思う‥‥。


「筒井さん‥‥私なんかを選んで
 くださって感謝してます‥‥。
 アルバイト先で偶然出会えた人に
 恋をして、好きになって頂けて、
 こんな風に隣で座り手を握って
 貰えているなんて‥‥今‥幸せです。
 私も筒井さんと万が一喧嘩しても、
 こうして手を繋いで眠りたいです。」



素直に謝れない時でも、勘違いして
自己嫌悪に陥っても、この手の温もりに
嘘はないから、離れたい時こそそばに
いてもう一度相手を思う気持ちを
再確認したい



『フッ‥‥‥言っただろ?
 私なんかじゃなくて霞がいいんだよ。
 ‥‥こら‥‥泣くとまた摘むぞ?』



こういう気持ちを一緒に住む前に
話してくれて嬉しかった‥‥


同棲なんて初めてだし、好きな気持ちは
あるけれど不安だってあったから、
筒井さんがちゃんと私の事を
大切に考えてくれているって改めて
伝えてくれた優しさに涙が出てしまう



『おいで‥‥‥』


抱きしめてもらいたいと思うのも、
頭を撫でて欲しいと思うのも、
この先私はこの人だけだと思う


グゥ‥‥


「ッ‥ヤダ‥き、聞こえました!?」


せっかく素敵な気持ちを伝えてくださったのに、こんな時にお腹が鳴るなんて‥
恥ずかしい‥‥


『ハハッ‥‥‥お昼食べずに
 片付けしてたからな‥‥‥。
 久しぶりにランチでもしに行くか』


「はい!」


『フッ‥‥色気よりやっぱりお前は
 食い気だな?
 腹まで素直でほんと‥可愛い
 困ったヤツだ‥‥』


トクン


ソファから立ち上がる前に唇を軽く
啄まれると、頭をくしゃくしゃに
撫でられた


まだ一緒に住んでもないのに、
こんなことにさえもドキドキして、
本当に毎日心臓持つかな‥‥


筒井さんが顔が赤くなることなんて、
もしかしたらこの先見れることが
ないんじゃないかと思うけど、
きっとこの先私は何度も
あなたのその仕草一つにも顔を
赤らめてしまうと思わされた。



「お花はこれくらいで大丈夫ですか?」


8月のお盆休みを使って、
都内から外れた郊外にある霊園に
筒井さんと一緒に向かうことになり、
お花屋さんでお花を選んでいた。


『お前が選んだ花なら喜ぶから
 任せるよ。』