玉響の一花    三

筒井さんが帰ってくるまで、ご飯を
作りながら蓮見さんと沢山話をした。


面談とか以外でこうして
話すことなんて、蓮見さんとはなかったからとても新鮮で、時々揶揄われたりもしたけど、やっぱり蓮見さんは女性と
話すのが上手いと改めて思えた。


筒井さんは話すとドキドキして緊張する

亮さんはお兄ちゃんのように安心する

蓮見さんは気が許せる家族のようだ


直属の上司だから、家族なんていったら
失礼だけど、それぐらい話しやすくて
楽しい人だと思う



よし‥‥あとはみんな揃ってからでも
仕上げは間に合うかな‥‥


ガチャ


鍵が開く音がして、玄関先から賑やかな
話し声が聞こえたので、手を止めて
向かった。


『ただいま。遅くなってすまない。』


「いえ‥‥おかえりなさい。
 元輝さんもこんにちは。」


オリヴィアさんと亮さんは
さっきぶりなので、
軽く手を振ってみんなを出迎えた。


『井崎さん、お邪魔します。
 はい、これお土産。』


「えっ?ありがとうございます。
 わぁ‥‥これ有名な店のキッシュ
 ですよね!嬉しいです。」


紙袋がまだ温かくて、そこから
香る香ばしい匂いに思わず頬が緩む


『ほら、こんなところで立ち止まって
 ないで、荷物を運ぶぞ。拓巳!
 こっちに来て手伝え。』


相変わらずお酒を飲むのか、
沢山の荷物をみんなでリビングに
運び、お酒類を冷蔵庫やワインクーラー
に入れ始めた。


『まだ時間は早いけど、ゆっくりと
 始めますか?』


『お前は腹が空いただけだろ?
 食いたいなら手伝え。』


『えー?俺ずっと霞ちゃんと
 イチャイチャしてたからちょっと
 お疲れ気味なんだけど?』


えっ!!?


グイっと肩を抱かれて蓮見さんの
胸元に抱きつく形になると、目の前の
筒井さんが大きな溜め息を吐いた。


「は、蓮見さん!!」


『なぁに?
 俺たちあんなに濃い話した仲でしょ?
 もしかして今更照れてる?』


グイっと筒井さんに引き剥がされ
亮さんに思いっきり叱られていた
蓮見さんに元輝さん達も大笑いしていた


『大丈夫か?変なことされて
 ないだろうな?』


「えっ!?へ、変なことって
 何もないですから!!ただ‥‥」


『ただ?なんだ?』


「蓮見さんとあまり話したこと
 なかったので楽しかったです。」