玉響の一花    三

だ、抱くって‥‥‥‥

『帰ったら寝かせれないかもな‥‥』


「な、何言って‥‥私は寝ます!!」


真っ赤であろう顔を見られたくなくて、
筒井さんの胸に顔を押し付けると
楽しそうに声を出して笑われた


『おっかえりー‥‥ん?‥なんか
 君らイチャイチャしてきたでしょ?』


ドキッ


蓮見さんって何故かこういうことには
敏感というか直感が働くから
頭の中の構造を一度見てみたい。



あの後車の中でシートを倒されて
深いキスを何度もされるなんて
思ってもみなかったけど、
当の筒井さんはというと顔色一つ変えずに普通に亮さんと話してる



いっぱいいっぱいなのは私だけで、
筒井さんにとってはキスなんて
どうってことないくらい経験値が
あるのかもしれない。



「こ、古平さん!今日の晩御飯は
 どうされるんですか?手伝います。」


『ありがとう。なんか無償に野菜が
 食べたくなったから
 今日は無限しゃぶしゃぶ!!』


「わぁ!いいですね。
 しゃぶしゃぶなんて一人暮らしだと
 なかなかしないから嬉しいです。」



カセットコンロはないため、
外で火おこしをしてくれてる
男性陣を見ながら中で準備をし始めた。


水菜、人参、レタス、大根を沢山
細かめの千切りにひたすら切り、
きのこ類やお豆腐も準備したあと、
生姜、大葉、茗荷、白ネギ、ニラも
沢山刻んで用意した。


「明日帰るので、朝ごはん用以外
 のものは使ってもいいですか?」


買い足した以外にも余ってるものが
あった為何か作ろうかと考えた。


『全然いいよ。残しても誰かが
 持って帰るだけだから、
 井崎さんが何か作れそうなものが
 あったら、お願いするよ。
 大食いたちは喜んで食べるからさ。』



「じゃあ何品かおつまみ系作ります。」


しゃぶしゃぶの用意や鶏団子は
古平さんが引き継いでくれたので、
きゅうりと梅干しで梅きゅうり、
茹で卵を作り、キムチとツナを味付け
した物を乗せたり、トマトを輪切りにしてカルパッチョにし、簡単なおつまみを
何品かパパッと作った。


『井崎さんお酒飲まないのに、
 おつまみ系作るの上手いわよね?』


「あ‥‥その、つ、筒井さんが
 飲まれるので勉強しました‥‥」


普通の作り置きしか知らなかったから、
お酒を飲む人たちを身近に知って、
色々なレシピを学べたから良かったと
思ってる


『やっぱりそこよね‥‥。
 好きな人のために頑張れるって‥‥』


えっ?