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人事課 筒井 滉一は
受付の井崎 霞と同棲しており、
今回のフランスで行われる企業生誕際
にも私情を優先とした選考による
不正があったものとみなされる。
もう一度正しい選考をするべきです。
そうしなければ、この内容を社内に
一斉送信する。
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誰がこんな事を書いたのか分からない‥
選考したのは筒井さんではないのに、
どうしてこんなことを‥‥
恐ろしい内容に我慢していた私は
もうそれを抑えられなくなり
震える手で口元を押さえた。
『筒井君、この内容に関して君の
今思う意見を聞いてもいいかい?』
ドクン‥‥
筒井さんはこの紙を見て顔色を変えず
大丈夫と口にした。
社内恋愛が悪い事じゃない。
それでも、偶然選ばれたとしても、
恋人同士だと分かれば、同じような
考えをする人は沢山出てくるかも
しれない‥‥
どうしよう‥‥
やっぱり私は辞退すべき‥‥
『わたしは井崎さんとは確かに
そういった関係です。
しかし、今回の選考にわたしは
携わっておりませんし、もし
この脅迫内容に従えば、行って
いない選考をしたことを認める
ことになります。わたしは辞退しても
構いませんし、もう一度再選考を
企業が決められるのなら従います。』
ッ筒井さん!!
「あ、あの‥待ってください!!
‥私なんかが意見しても
宜しいでしょうか?」
緊張しながらも、膝の上で両手を
握りしめて社長の方に姿勢を正し
真っ直ぐ前を向いた。
『ああ、勿論だよ。』
「ッ‥ありがとうございます。
私は、筒井さんのことをとても
尊敬してます。正直‥受付にこのまま
居続けていいのか悩む日々でした。
周りの友人は外国語大学を卒業し、
海外や、通訳など活かした仕事を
している中で、ここにいて今後
スキルアップ出来るのか不安でした。
その時に偶々この参加要項
を見つけ、自分の中の何かを
変えるきっかけになればと応募を
させていただきました。
後押しをしてくださった蓮見さんを
はじめ総務課のみなさん、そして
筒井さんの支えもあり、今の私が
あります。ですので‥‥‥私は
今回のことを踏まえて辞退します。」
社長を見た後、隣に座る筒井さんの
顔を見て口角を上げて笑った。



