頭を下げてお辞儀をすると、
顔を上げた時に何となくだけど
上から下まで見られた気がした。
気のせいかな‥‥
「あの‥‥私に何か‥‥」
『んー‥‥そうね‥‥今度の海外
研修に選ばれたって掲載されてたから
どんな人か気になってたの。
私、選考が外れてしまったので。』
えっ?
まさか海外研修の話がここで出るとは
思わなくて驚いてしまう。
しかも飯田さんという方も応募されて
いたと知って、選ばれた私はなんと
声をかければいいのか分からず
黙ってしまった
『フランス語を話せるのは分かるわ。
でも3年目のあなたの何が良くて、
8年勤めていた私の何がダメなのか
納得がいかないのよ。』
ドクン
何人の社員さんがこの企画に応募
されたのかはよく分からない‥‥
ただ受かったということは、当たり前
だけど落ちた人もいるということ。
私のように行きたかった人が沢山
いる中で、こういう思いを抱く人は
絶対いると思っていた
「すみません‥‥選考内容は私には
分かりませんが、会社に選んで
頂いたからには素直に受け止めて
行きたいので、私からは申し訳
ありませんが何も言えません‥」
飯田さんに向かって深く頭を下げる
ことしか出来ない‥‥
私の倍以上勤められてきた方に、
これ以上何を言ってもダメな気が
してしまい、怖くて震えそうな
気持ちを抑えていた
『辞退する気はない?』
「えっ?」
『私、このチャンスを逃したくないの。
あなたはまだ若いけど、私は年齢的
にももう厳しいわ。だから譲って
欲しいの。』
そんな‥‥‥
そんなこと‥‥言われても‥‥
飯田さん以外にも行けない人だって
いる中で、じゃあ譲りますなんて
とても言えない‥‥。
私だって軽い気持ちで応募は
していない。色々な人の後押しがあり、
挑戦したいと思ったから‥
『ここで何してる。』
ドクン
緊張から強張っていた顔が、
筒井さんの声が聞こえた途端に緩み、
思わず泣きそうになってしまう
『筒井くん‥‥お疲れ様。
海外研修の選考基準に
彼女の何が当てはまったの?』
筒井さんに頭を軽く下げた飯田さんが
言い放った言葉に、また胸が締め付け
られてしまう
ライトグレーのスーツを素敵に
着こなした筒井さんの方を向けずに俯く
と、早くここから立ち去りたい気持ちで
いっぱいになってしまった。
『人事的な事はお答え出来ません。
そして、こんな人目につく場所で、
するような話ではないことは、
同期生として分からないはずは
ないと思いますが。』
少し低めの声のトーンに、益々顔を
上げることが出来ない。
さっきは気づかなかったけど、
飯田さんは筒井さんの同期だったんだ‥
顔を上げた時に何となくだけど
上から下まで見られた気がした。
気のせいかな‥‥
「あの‥‥私に何か‥‥」
『んー‥‥そうね‥‥今度の海外
研修に選ばれたって掲載されてたから
どんな人か気になってたの。
私、選考が外れてしまったので。』
えっ?
まさか海外研修の話がここで出るとは
思わなくて驚いてしまう。
しかも飯田さんという方も応募されて
いたと知って、選ばれた私はなんと
声をかければいいのか分からず
黙ってしまった
『フランス語を話せるのは分かるわ。
でも3年目のあなたの何が良くて、
8年勤めていた私の何がダメなのか
納得がいかないのよ。』
ドクン
何人の社員さんがこの企画に応募
されたのかはよく分からない‥‥
ただ受かったということは、当たり前
だけど落ちた人もいるということ。
私のように行きたかった人が沢山
いる中で、こういう思いを抱く人は
絶対いると思っていた
「すみません‥‥選考内容は私には
分かりませんが、会社に選んで
頂いたからには素直に受け止めて
行きたいので、私からは申し訳
ありませんが何も言えません‥」
飯田さんに向かって深く頭を下げる
ことしか出来ない‥‥
私の倍以上勤められてきた方に、
これ以上何を言ってもダメな気が
してしまい、怖くて震えそうな
気持ちを抑えていた
『辞退する気はない?』
「えっ?」
『私、このチャンスを逃したくないの。
あなたはまだ若いけど、私は年齢的
にももう厳しいわ。だから譲って
欲しいの。』
そんな‥‥‥
そんなこと‥‥言われても‥‥
飯田さん以外にも行けない人だって
いる中で、じゃあ譲りますなんて
とても言えない‥‥。
私だって軽い気持ちで応募は
していない。色々な人の後押しがあり、
挑戦したいと思ったから‥
『ここで何してる。』
ドクン
緊張から強張っていた顔が、
筒井さんの声が聞こえた途端に緩み、
思わず泣きそうになってしまう
『筒井くん‥‥お疲れ様。
海外研修の選考基準に
彼女の何が当てはまったの?』
筒井さんに頭を軽く下げた飯田さんが
言い放った言葉に、また胸が締め付け
られてしまう
ライトグレーのスーツを素敵に
着こなした筒井さんの方を向けずに俯く
と、早くここから立ち去りたい気持ちで
いっぱいになってしまった。
『人事的な事はお答え出来ません。
そして、こんな人目につく場所で、
するような話ではないことは、
同期生として分からないはずは
ないと思いますが。』
少し低めの声のトーンに、益々顔を
上げることが出来ない。
さっきは気づかなかったけど、
飯田さんは筒井さんの同期だったんだ‥



