翼が私の手を掴み、海から引っ張り出してきた。 「ごめん……。やっぱ、帰ろ?」 「えっ、どうして?」 「我慢できないし…。」 「なにが?」 「…いいから、かえんぞ。」 「ちょっ、まって!」 翼は、勝手に海を出ると無造作に私の洋服を押し付け、走っていった。