「「翼!」」
次はパパとママがやって来た。
「はぁ。」
翼くんは深いため息をついた。
「翼、またやったの?」
「…。」
「翼、どうなんだ。答えろ。」
パパも詰め寄って何か、嫌な雰囲気。
「欲しいもんがあったから。」
「欲しいもん?何だ?」
ガンッ
…翼くん!?
翼くんはパパの言葉が終わる前に近くにあったイスを思い切り蹴った。
「…っせーな!関係ねぇだろ?ロクに小遣いも与えねーで、子供が万引きするの当たり前だろ!?」
私は翼くんの迫力に驚くばかりだった。
「つ、翼!何だ、その口のきき方は!」
パパは翼くんの腕を掴んだ。
「親でもねーのに触んじゃねえ!俺はどうせ島崎紅の代わりなんだろ?紅翼には用ねえんだろ?」
パァン!
翼くんの頬が音を立てた。


