それから、授業が始まっても。
桐谷の視線は、無意識のうちに一花を追っていた。
ノートに向かう横顔。
ペンを持つ指先。
時々、少しだけ肩が上下する呼吸。
――さっきの手。
冷たくて、小さくて、柔らかかった感触が、何度も頭をよぎる。
どうしてあんなに冷たかったんだろう。
気づけば、彼女の手元を見ている自分がいた。
視線を戻そうとしても、うまくいかない。
守ってあげたい。
理由なんて分からない。
ただ、放っておけない。
それだけが、胸の奥にはっきりと残っていた。
一花がふと顔を上げる。
目が合いそうになって、桐谷は慌てて視線を逸らした。
――見てたの、ばれたか。
心臓が、少しだけ強く鳴る。
無口でいることが、初めてもどかしいと思った。
桐谷の視線は、無意識のうちに一花を追っていた。
ノートに向かう横顔。
ペンを持つ指先。
時々、少しだけ肩が上下する呼吸。
――さっきの手。
冷たくて、小さくて、柔らかかった感触が、何度も頭をよぎる。
どうしてあんなに冷たかったんだろう。
気づけば、彼女の手元を見ている自分がいた。
視線を戻そうとしても、うまくいかない。
守ってあげたい。
理由なんて分からない。
ただ、放っておけない。
それだけが、胸の奥にはっきりと残っていた。
一花がふと顔を上げる。
目が合いそうになって、桐谷は慌てて視線を逸らした。
――見てたの、ばれたか。
心臓が、少しだけ強く鳴る。
無口でいることが、初めてもどかしいと思った。
