神に選ばれなかった者達 前編

金銭感覚の違いにも驚かされるけど、更に驚くのは。

クラスメイト達の、学習意欲の低さだった。

たった今、目の前で私に「宿題を見せて」と頼んできた女友達が、良い例。

宿題くらい、自分でやろうよ。

宿題は、授業の予習にも復習にもなる。

私にとっては、これも貴重な勉強の機会。

だから、私としては有り難いと思っているくらいなのに。

クラスメイトにとっては、ただ面倒臭い以外の何物でもないらしく。

宿題を真面目にやって来ない上に、こうしてクラスメイトに頼って、見せてもらおうとしている。

で、それを写すだけ。

非常に怠惰と言わざるを得ない。

宿題だけじゃなく、普段の授業態度もそう。

「授業で指名されるのが苦手」とか、「○○先生は厳しいから嫌い」とか。、

挙げ句、授業をサボりたいからと、仮病を使って保健室に昼寝しに行く生徒も見たことがある。

論外。

私にとっては信じられない。

勉強する機会が目の前に転がってるのに、自らその権利を放棄するなんて。

私なんて、普段の授業だけに飽き足らず。

もしも放課後や休みの日に余分に授業が受けられる機会でもあれば、喜んで受けに行くのに。

それに何より、授業や宿題や、とにかく学校に関することに対して手を抜くのは。

苦労して私を学校に送り込んでくれたお兄ちゃんに、あまりに申し訳ない。

だから、私はいつだって真剣に勉強に取り組む。

そんな私を見て、クラスメイトは昔から、「のぞみは真面目だね」と口を揃えて言う。

私が真面目なんじゃなくて、君達が不真面目なだけだと私は思う。

でも、考えてみれば。

私が特殊な例なだけで、クラスメイトにとってはこれが普通の感覚なのだろう。

彼らは小学校の頃から、当たり前のように学校に通っている。

本人の意志に関わらず、だ。

従ってクラスメイト達は、自ら学んでいると言うよりは、親に無理矢理学校に行かせられている、と言った方が正確。

なんて贅沢。

私もお兄ちゃんも、他のスラム街の子供達も。

どんなに学校に行きたくても行きたくても、お金がなくて行けなかったのに…。

あなた、そんなに勉強したくないなら、その権利私とお兄ちゃんに頂戴!って言いたくなる。

…そんなこと言えないから、結局我慢するしかないのだけど。

この世の中の富も権利も、不平等に分配されてるんだなって。

これまでも、何度も思ったことを、私はいつも心の底から実感している。