「のぞみにはこれまで、ずっと我慢させてきた。普通の女の子みたいに、お洒落したり友達と遊んだり、美味しいものを食べさせてあげることも…」
…そんなの。
私はそんなの、望んだことは一度もない。
「だからせめて、学校くらいはちゃんと行かせてあげたい。それがお兄ちゃんの夢だったんだ」
「…」
「その為にこれまで頑張ってきたんだから、のぞみには学校に行ってもらわなきゃ」
これは決定事項、とばかりにお兄ちゃんはきっぱりと言った。
…そう言われてしまったら、これ以上私がなんと言っても、それは我儘以外の何物でもなかった。
「…本当に良いの?お兄ちゃん…。私は、お兄ちゃんに辛い思いをさせてまで学校に行きたくなんか…」
「辛い思いなんて、とんでもない。むしろ、のぞみがいるから、お兄ちゃんは頑張れるんだよ」
お兄ちゃんは、私の頭にぽん、と優しく手を置いた。
その時にはもう、お兄ちゃんはいつもの優しい顔に戻っていた。
「大変なことがあっても、のぞみの為だと思ったら全然辛くないんだ。お兄ちゃんがのぞみを助けてるんじゃない。のぞみがいるから、お兄ちゃんは生きていけるんだよ」
そう言って微笑むお兄ちゃんの顔には、嘘偽りは欠片もなかった。
…そう。そっか。
「さぁ、制服を注文しに行こう。のぞみならきっと、よく似合うはずだよ」
「…うん、分かった」
それから私は、お兄ちゃんと一緒に、中学生の制服を注文しに行った。
セーラー服を試着した姿を見たお兄ちゃんは、私以上に嬉しそうで、誇らしそうで。
私は、たくさん勉強して、必ず私を学校に行かせてくれたお兄ちゃんに報いよう、と心に誓ったのだった。
そして今も、私はその誓いを忘れてはいない。
…そんなの。
私はそんなの、望んだことは一度もない。
「だからせめて、学校くらいはちゃんと行かせてあげたい。それがお兄ちゃんの夢だったんだ」
「…」
「その為にこれまで頑張ってきたんだから、のぞみには学校に行ってもらわなきゃ」
これは決定事項、とばかりにお兄ちゃんはきっぱりと言った。
…そう言われてしまったら、これ以上私がなんと言っても、それは我儘以外の何物でもなかった。
「…本当に良いの?お兄ちゃん…。私は、お兄ちゃんに辛い思いをさせてまで学校に行きたくなんか…」
「辛い思いなんて、とんでもない。むしろ、のぞみがいるから、お兄ちゃんは頑張れるんだよ」
お兄ちゃんは、私の頭にぽん、と優しく手を置いた。
その時にはもう、お兄ちゃんはいつもの優しい顔に戻っていた。
「大変なことがあっても、のぞみの為だと思ったら全然辛くないんだ。お兄ちゃんがのぞみを助けてるんじゃない。のぞみがいるから、お兄ちゃんは生きていけるんだよ」
そう言って微笑むお兄ちゃんの顔には、嘘偽りは欠片もなかった。
…そう。そっか。
「さぁ、制服を注文しに行こう。のぞみならきっと、よく似合うはずだよ」
「…うん、分かった」
それから私は、お兄ちゃんと一緒に、中学生の制服を注文しに行った。
セーラー服を試着した姿を見たお兄ちゃんは、私以上に嬉しそうで、誇らしそうで。
私は、たくさん勉強して、必ず私を学校に行かせてくれたお兄ちゃんに報いよう、と心に誓ったのだった。
そして今も、私はその誓いを忘れてはいない。


