この、人の悪そうなニヤニヤした笑みを見れば分かる。
他人を馬鹿にしている時の顔だ。
これほど醜い顔は、なかなか存在しない。と思う。
口には出さないが。
座る席がなくなっていることは、雨野リリカも見れば分かるだろう。
「…それが、登校してきたら机も椅子もなくなっててな」
「へぇ?何処やったの?」
「さぁ。…それはお前が知ってるんじゃないのか?」
そう尋ねると、雨野リリカは馬鹿にしたように、鼻を鳴らして笑った。
「知らないわよ、そんなの。私のせいにしないでくれる?」
「…」
お前のせいだ、とは一言も言ってないんだがな。俺は。
無意識にそんな言葉が出てくるということは、やはり知ってるんだな。
「それにしても、あんたもなかなかワイルドね。机と椅子を忘れて学校に来るなんて、前代未聞じゃないの?」
「ほんと。でも、大丈夫だよ。ユートーセイ君なんだから」
「そうそう。授業なんか受けなくても満点だもんねー」
雨野リリカと、その取り巻き達が続けて言い、楽しそうにどっと笑っていた。
ユートーセイ…優等生、ね…。
…本当にそうだったら、どんなに良かったか。
ともあれ、起きてしまったことは仕方ない。
経験上、これ以上雨野リリカを問い詰めても無駄なことは分かっている。
彼女達は、決して俺の席を何処に捨ててきたか、白状しないだろうから。
ならば、自分で探す方が良い。
俺は雨野リリカを無視して、教室を出た。
その背後から、彼女達の高らかな笑い声が響いていた。
一方の俺はこれから、捨てられた机と椅子探しである。
登校して、まず最初にやることが、自分の机と椅子探しとは。
こんなことなら、もっと早く登校しているべきだったか。
一時間目が始まるまでに、無事見つかると良いのだが。
…しかし。
他人を馬鹿にしている時の顔だ。
これほど醜い顔は、なかなか存在しない。と思う。
口には出さないが。
座る席がなくなっていることは、雨野リリカも見れば分かるだろう。
「…それが、登校してきたら机も椅子もなくなっててな」
「へぇ?何処やったの?」
「さぁ。…それはお前が知ってるんじゃないのか?」
そう尋ねると、雨野リリカは馬鹿にしたように、鼻を鳴らして笑った。
「知らないわよ、そんなの。私のせいにしないでくれる?」
「…」
お前のせいだ、とは一言も言ってないんだがな。俺は。
無意識にそんな言葉が出てくるということは、やはり知ってるんだな。
「それにしても、あんたもなかなかワイルドね。机と椅子を忘れて学校に来るなんて、前代未聞じゃないの?」
「ほんと。でも、大丈夫だよ。ユートーセイ君なんだから」
「そうそう。授業なんか受けなくても満点だもんねー」
雨野リリカと、その取り巻き達が続けて言い、楽しそうにどっと笑っていた。
ユートーセイ…優等生、ね…。
…本当にそうだったら、どんなに良かったか。
ともあれ、起きてしまったことは仕方ない。
経験上、これ以上雨野リリカを問い詰めても無駄なことは分かっている。
彼女達は、決して俺の席を何処に捨ててきたか、白状しないだろうから。
ならば、自分で探す方が良い。
俺は雨野リリカを無視して、教室を出た。
その背後から、彼女達の高らかな笑い声が響いていた。
一方の俺はこれから、捨てられた机と椅子探しである。
登校して、まず最初にやることが、自分の机と椅子探しとは。
こんなことなら、もっと早く登校しているべきだったか。
一時間目が始まるまでに、無事見つかると良いのだが。
…しかし。


