神に選ばれなかった者達 前編

勿論、そのような途方もない作業が、一日で終わるはずもなく。

次の日も、その次の日も。

私達は、ゴミ捨て場の近くに落とし穴を掘り続けた。

また、夢の中と言えども、痛みや疲労感は現実と変わらずに蓄積する。

度々休憩を挟みながら、交代で作業を進めた。

その作業は、進めば進むほど難航していった。
 
というのも、穴が大きくなるにつれて、掘った土を穴から出して捨てるのが難しくなっていくから。

私も必死に動いたけれど、ついに掘るスピードより、掘り出した土を取り除く作業の方が遅くなってしまった。

お兄ちゃんや響也さんや、色んな人が協力してくれた。

更に、この作業で一番活躍したのが。

「よいしょ、っと…。こっち、もう持ってって良いか?」

「あいよ、どうぞ」

「分かった」

李優さんは、大きくなってきた穴の中から、バケツを持って羽ばたいた。

背中に翼の生えた李優さんは、落とし穴の中だろうと関係ない。

穴の中で、お兄ちゃんや、萌音さんや、響也さんやふぁにさんが土を掘って。

掘り出した土をバケツに詰めて、李優さんがそれを持って飛び、穴の縁に持ってきてくれた。

で、李優さんが持って飛んできたバケツの土を、私が別の場所に捨てる。

色々やった結果、これが一番効率の良い方法だと分かった。

古典的な工事現場、って感じだね。

「はい、のぞみ。次はこれ捨ててきてくれ」

「分かりました」

李優さんから、ずっしり重いバケツを二つ、受け取る。

次のバケツがいっぱいになる前に、これを遠くに捨ててこなきゃ…。

バケツを持ってよたよた歩きながら、私は土を捨てている場所に向かった。

掘り出した土は、ずっと、体育館の裏に捨てていた。

塵も積もれば山となる、という言葉通り。

今では、その捨てた土が、こんもりと小さな山になっていた。

…ずっとここに捨ててたけど、そろそろ別の場所に捨てた方が良いかな?

あんまり大きくし過ぎてもなんだし…。

私は、その場できょろきょろと周囲を見渡した。

今度は何処に捨てようかなって。

そして、体育館と校舎を繋ぐ渡り廊下の近くに、ちょっとした広いスペースがあるのを見つけた。

あそこに捨てよう。

ここからちょっと歩くけど、でも数メートル程度だし。

数メートル程度でも、重いバケツを持って運ぶのは、簡単なことではなかった。

でも、落とし穴を掘ってくれているお兄ちゃん達に比べたら、私の苦労など大したことはない。

穴の中は掘れば掘るほど、土が硬い層に達しているようで。

掘り返すのも、かなり大変になっていると、お兄ちゃんが言っていた。

それでも皆頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ。

私は、その空いたスペースまでよたよた歩き。

バケツの中身を逆さまにして、土を捨てた。

…ふぅ。

さて、それじゃ戻ろう…と、踵を返した。

その時だった。