神に選ばれなかった者達 前編

「…そう…。そうか…」

よく分かったよ。

悪夢を見るようになってから10日以上。

ずっと知りたかったことを、全部ではないが、教えてもらうことが出来た。

納得は出来ない。出来るはずがない。

…でも、理解はした。

理解したくない、俺達の残酷なさだめを。

「…大丈夫か?響也…」

佐乱李優が、心配そうに声をかけてきた。

大丈夫なはずがない。こんな事実を知らされて。

でも、彼に八つ当たりしても、どうにもならなかった。

「…あぁ…」

「…現実を受け入れるまでには、時間がかかるだろう。今すぐじゃなくても良い。いつか、受け入れるようになれば」

「大丈夫だ。ふぁに達も、納得するまでめちゃくちゃ時間かかったから。…何なら、今でも納得はしてない」

佐乱李優と、妹尾ふぁにが言った。

「納得してなくても、戦わなきゃいけないものは、戦わなきゃいけないんだよ。あんたさんもいつか…そう思える日が来ると思うよ」

「…そうか」

今はとてもじゃないけど、そんな風には思えない。

だけどここにいる『処刑場』の仲間達は皆、今の俺と同じ気持ちを乗り越えてきた。

時間をかけて乗り越えて、受け入れて。

…そして、戦っている。

だから俺も、いつかはそうなるのだろう。

受け入れられない現実を、絶望と共に受け入れる日が。






…あの掲示板。あのチャットアプリの名前。

何故『処刑場』というのか、その意味が少し分かったような気がした。