神に選ばれなかった者達 前編

この人達が…『処刑場』にいた…。

「もちもちの方が…お前なのか?」

「もちもちのもねだよー」

…らしい。やっぱり。

実際に目にしても、何処が、何故もちもちなのか分からないが。

「ごめん。こいつの名前は久留衣萌音(くるい もね)。ご存知の通り、『処刑場』にいた『もちもちもね』っていうのが、こいつだ。ちなみに、俺と同じ高2だ」

改めて、佐乱李優がそう説明した。

それじゃ、消去法で…。

「こっちが…」

「自分はハンドルネーム『ポンコツスナイパー』の、妹尾(せのお)ふぁにだ」

弓を持った青年が、そう自己紹介した。

この人が、「ポンコツスナイパー」…。

持ってるのは銃じゃなく弓だから、スナイパーではなくアーチャーのはずだが…。

いや、それより…。

「ふぁに…。本名なのか?」

こちらもハンドルネームじゃないかと思う名前だが。

「本名だけど」

「…外人…?ハーフ?」

「残念だな。国産純正だ」

成程。

まぁ、名前の個性は人それぞれだ。

「で、あんたさんが『きょうや』だって?」

「あぁ…」

皆に自己紹介してもらったのだから、俺も名乗った方が良いだろう。

「俺は…俺は萩原響也。この学校の一年生だ」

夢の中で自己紹介をしているなんて、我ながらどうかしている。

しかも、学校のゴミステーションなんかで。

だが、これが受け止めなければならない現実なら、受け止めねばなるまい。

「響也、か…。…こういう場で、こういう言い方が正しいのか分からないが…。…宜しくな」

「…あぁ…」

冷静に考えれば、ゾンビに囲まれたこの学校で。酷い夢の中で、宜しく、なんて気軽に言える状況ではない。

それでも、自分一人じゃなかったことに、俺は安堵していた。