神に選ばれなかった者達 前編

数時間後。
 
午後5時に、またしても掲示板が動き始めた。

『天使ちゃん∶集まってるか?

ポンコツスナイパー∶おりゅ

シスコン兄∶僕も。横に妹もいる

もちもちもね∶来たよー』

昼間はいなかったハンドルネーム「もちもちもね」という人物も、今は集まったようだ。

この人達…全部で一体何人いるんだ?

5人…?

『天使ちゃん∶単刀直入に話す。

天使ちゃん∶可能な限り全員ゴミ捨て場に集まって、まとめて一網打尽にするのが良いかと思うんだが

天使ちゃん∶どう思う?』

と、掲示板に集まる全員に問いかける、ハンドルネーム「天使ちゃん」。

…どうやら、この天使ちゃんという人物が、この掲示板のリーダー的存在らしい。

『ポンコツスナイパー∶別に良いと思うよ。それが出来るなら

シスコン兄∶僕達が一箇所に集まることは、それほど難しくないと思うが

シスコン兄∶問題は、集めたゾンビ共をどうやって一網打尽にするかだ

天使ちゃん∶確かに…』

…やっぱりこの人達は、ゾンビを倒すことを目的として集まっている。

それも、フィールドは学校で。

『もちもちもね∶もねが倒そうか?

シスコン兄の妹∶本当に?出来るんですか?

もちもちもね∶わかんないけど。やってみようか?

天使ちゃん∶無理するな。一人で頑張らなくて良い。みんなで倒そう』

この「もちもちもね」という人物は、かなり腕に自信があるようだ。

すると。

俺は、このもちもちもねさんの次の発言に、驚愕することになる。

『もちもちもね∶それより、気になることがあるんだけど

天使ちゃん∶何だ?

もちもちもね∶昨日誰か、校舎から落ちて死んだ人、いない?』

…え?

次いで、その問いかけに答える人々のメッセージに、また戦慄した。

『ポンコツスナイパー∶自分は昨日、ゾンビに襲われて二、三回死んだけど。転落死はしてないぞ

シスコン兄∶僕と妹はゴミ捨て場に隠れてたから、昨夜は一度も死んでない

天使ちゃん∶俺も落ちる訳ないし…。どういうことだ?

もちもちもね∶分からない。けど、誰かが落っこちる人影を見た気がするの。顔までは見えなかった』

…それって。

それって、もしかして。

『ポンコツスナイパー∶ゾンビが落ちたんじゃねーの?』

ポンコツスナイパーさん、それはゾンビではない。

もう間違いない。

どういう理屈なのか分からない。

でも、この人達が言っていることは、どう考えても。

「この人達も…俺と、同じ夢を見てる…」

最早、そうとしか考えられなかった。